華僑報は東京華僑総会の機関紙で、現在では旬刊で発行されていますが、1967年当時は月刊だったかも知れません。東京華僑総会は、中華人民共和国成立後、大陸の政権を支持する組織と台湾の国民政府を支持する組織とに分裂したということですが、その頃の事情については詳しくありません。ここで紹介する華僑報を発行しているのは、大陸の政権を支持する人たちの方の組織です。「戦後華僑・留学生運動史」は、この華僑報に連載されているシリーズで、戦後における日本の華僑の運動の歴史を紹介しています。

 このシリーズで、華僑報の1999年9月5日付、15日付、および25日付の3回にわたって、「善隣学生会館」の闘いが取り上げられています。これは、1998年に日本共産党と中国共産党の間の関係が正常化した後の記事であり、両国の党関係の如何にかかわらない、東京華僑総会としての、この事件に対する正式な評価であるといえます。あらためて、華僑側の事実認識や評価と、赤旗や日中友好協会の刊行物での事件の記述との乖離の大きさを感じさせられます。

2001年6月17日 猛獣文士


・華僑報1999年9月5日「戦後華僑・留学生運動史(149)」

・華僑報1999年9月15日「戦後華僑・留学生運動史(150)」

・華僑報1999年9月25日「戦後華僑・留学生運動史(151)」

[Home][華僑青年側資料目次]