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インフォーメーショーン・サービス12
行政法講座第1回「情報公開法」

目  次
【情報公開法のポイント】
1.開示請求権と開示義務
2.開示請求に対する措置
3.不服申立て
4.審査会の調査審議の手続
【例題1】条文に基づいた問題
【例題2】開示請求に対する不服申立

 【情報公開法のポイント】

 世界の主要先進諸国の中で情報公開法の制定が最も遅れたのが日本である。イギリスでは判例法として早くから確立しており、アメリカは1966年、ドイツは1976年、フランスは1978年に制定している。行政文書の適正な開示がなされなければ、薬害エイズでの官民癒着の犯罪も証拠が挙がらないままうやむやにされたかもしれず、公正で民主的な行政を確保するためにも情報公開法はなくてはならない法律であるといえる。

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1.開示請求権と開示義務

 国民から行政文書の開示請求が書面(開示請求書)を通じて提出された場合、行政機関の長は請求者に対して当該文書を開示しなければならない(3条)。

 行政文書の中には、個人に関する情報や、個人の権利利益を侵害する情報が多く含まれており、これらは一般的には当然保護されなければならないが、個人情報であっても人の生命、健康、生活または財産を保護するために公にする必要があると認められる情報、あるいは公務員の職務執行に係る部分(薬害エイズ問題を想起されたし)は開示される。法人情報についてもほぼ同様に扱われる(5条)。なお、行政文書が第三者の情報を含む場合には第三者への通知と意見書提出の機会を与えなければならない(13条)。

 また、行政文書の中には国家の安全や外交、犯罪の予防、捜査、審議条項、監査、検査、契約、交渉、調査研究、人事、事業経営等の妨げとなるような情報も開示義務から免れうる(情報公開法2−5条)。だが、不開示情報の部分だけを除いて開示することができる場合には、原則として部分開示をしなければならない(6条)。

 しかしながら、行政機関の長は、開示請求のあった情報が不開示情報であっても、公益上特に必要があると認めたときには、開示することができる(7条)。他方で、開示請求に対して当該行政文書が存在しているかを答えるだけで不開示情報を開示することになるときは、開示請求を拒否することもできる(8条)。

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2.開示請求に対する措置

 開示請求に関する行政文書の一部または全部を開示するときは行政機関の長はその旨および開示の実施について開示請求者に通知しなければならない。他方、全部を開示しないときには開示しない旨を請求者に対して書面で通知しなければならない(9条1項、2項)。

 開示するかどうかの決定は請求のあった日から原則30日(正当な理由のあるときは理由を書面で通知してもう30日:計60日)以内にしなければならない(10条、著しく大量な行政文書のときはさらに例外あり:11条)。

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3.不服申立て

 この法律に特徴的なことは「情報公開審査会」の設置である。開示の決定について行政不服審査法に基づく不服申立てがあったときは、裁決または決定をするべき行政機関の長は情報公開審査会に諮問しなければならない(18条)。

 情報公開審査会は両議院の同意を得て内閣総理大臣の任命する9人の委員からなる。任期は3年だが、再選は可能。会には互選により会長が置かれ、審査会を代表する(21−24条)。

 審査会は不服申立てに係る事件については、会の指名する委員三人(特別の定めがあれば全員)により合議体を構成し、調査審議する。

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4.審査会の調査審議の手続

 審査会は必要があれば当該諮問庁に対し、開示決定に関する行政文書の開示を求めることができる。諮問庁はこれを拒むことはできない。もっとも、提示された行政文書自体は他に開示されることはない。また、審査会は諮問庁、不服申立て人、参加人それぞれに対して意見書や資料の提出を求め、事実を陳述させたり、鑑定を求めることその他必要な調査を行なうことができる(27−30条)。

 審査会の調査審議の手続は非公開であり、審査会または委員がした処分については行政不服審査法による不服申立をすることができない(32−33条)。したがって、さらに争う場合は、取消訴訟を起こすことになる(36条)。

 審査会は諮問に対する答申をしたときは、答申書の写しを不服申立人及び参加人に送付し、同時に答申の内容を公開する(34条)。

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【例題1】条文に基づいた次の問題でまとめておきたい。

 行政文書の開示について、以下の記述のうち誤っているものはどれか。

1.開示請求を受けた行政文書の中の個人情報は一般的に保護を受けるが、当該個人が公務員であり、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、保護を受けない場合がある。

2.行政機関の長は、開示請求を受けた行政文書の中に不開示情報が含まれる場合でも、当該部分を除いた部分はすべて開示しなければならない。

3.開示請求に対して、当該開示請求に係る文書が存在しているか否かを答えるだけで不開示情報を開示することになるときは、行政機関の庁は当該行政文書の存否を明らかにしないまま、当該開示請求を拒否することができる。

4.行政機関の長は、開示請求を受けた文書の全部を開示しないときは、開示しない旨の決定をし、開示請求者に必ず書面で通知しなければならない。

5.行政機関は開示請求に対する決定を、開示請求があった日から30日以内にしなければならないが、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、当該期間をさらに30日以内に限り延長することができる。

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【例題2】開示請求に対する不服申立についても次の問題で確認しておきたい。

 情報公開法上の不服申立がなされた場合の法律関係について、次の記述のうちで正しいものはどれか。

1.開示決定について行政不服審査法による不服申立があったときは、行政機関の長は当該不服申立に対する裁決または決定を情報公開審査会の裁決または決定に委ねなければならない。

2.情報公開審査会は、必要があれば当該行政庁(諮問庁)に対して開示決定に関する行政文書の提示を求めることができ、この場合何人もその提示された行政文書の開示を求めることができる。

3.不服申立人、参加人、諮問庁は、情報公開審査会に対して審査会に提出された意見書または資料の閲覧を求めることはできない。

4.情報公開審査会の行なう調査審議の手続は公開されるが、審査会の処分については、行政不服審査法上の不服申立をすることができない。

5.情報公開審査会が諮問に対する答申をしたときには、答申書の写しを不服申立人及び参加人に送付すると共に、答申の内容を公表しなければならない。

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